ページ一覧ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会 †
私たちは，「ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会」です。
日本の教育条件改善のために
文科省に情報公開請求して手に入れた
義務教育費国庫負担金に関する公文書のデータを読み取りながら
教職員定数や実数、配置の様子、学級編制の状況などを調査、研究しています。
全国各地に会員がいます。
メールアドレスはshiraberukai@ae.auone-net.jpです。
Facebookpageは https://www.facebook.com/kyouikujouken/ です。
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- ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会
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- 最新ニュース
- ◆少人数学級導入を求める提言を発表（2020/6/7)
- ◆宮城県教職員組合が調べる会に組織加盟を決定（2020/2/14)
- ◆大阪大学で講義（2020/2/15)
- ◆子どもと学校にゆとりを求める学習交流会（2020/1/25・26)
- ◆全国障害児学級＆学校学習交流集会（2020/1/12)
- ◆高知高岡教組2019パワーアップ集会（2019/11/22)
- ◆「歴史地理教育」10月号（2019/9/30)
- ◆堺の教育条件を考えあう市民教育カフェ2019（2019/9/21)
- ◆高知民研・高岡民研合同夏季学習会（2019/9/7)
- ◆2019教育のつどいin滋賀（2019/8/16〜18)
- ◆教育科学研究会全国大会（2019/8/9〜12)
- ◆2019調べる会夏の研究会in名古屋（2019/8/4)
- ◆全国障害者問題研究会第53回全国大会長野2019（2019/8/4)
- ◆富山県教育研究所教育講演会（2019/8/3）
- ◆全国学校事務職員制度研究会第43回島根大会（2019/7/28〜30）
- ◆奈良県障害児学校教職員組合2019夏の組合学校（2019/7/27）
- ◆日本教育政策学会年報に調べる会の研究が紹介されました。（2019/7/20）
- ◆「教育」8月号に山��事務局長が寄稿（2019/7/6）
- ◆佐久間亜紀先生（慶応大）の論考に紹介されました。（2019/6/16）
- ◆日本教育法学会総会（和光大学）（2019/6/1）
- ◆福島みずほ議員と懇談（2019/3/21）
- ◆日本共産党参議院議員秘書と懇談（2019/2/9）
- ◆川口市学校事務研究部研修会で山��事務局長が講師に（2019/2/8）
- ◆調べる会冬の研究会inさいたま（2019/1/26･27）
- ◆「土佐町で日本の教育の未来を考え、飲んで語り合う合宿」で山��事務局長が報告（2019/1/12）
- ◆全国教育研究交流集会in京都で山��事務局長が報告（2018/12/23）
- ◆2019年度文科省予算案（小中学校教職員定数関係）について事務局長見解（2019/1/6）
- ◆調べる会事務局長として文科省へ送ったパブリックコメントを発表（2018/12/17）
- ◆12月8日、1月5日に山��事務局長が大阪大学講義を担当（2018/12/8,2019/1/5）
- ◆「教育」10月号に橋口会員の論文が掲載されました（2018/9/10）
- ◆愛教労が調べる会に組織加入を決定（2018/9/8）
- ◆教育のつどい2018in長野で橋口と山��が報告。調べ方学習会を開催。（2018/8/16〜18）
- ◆教育科学研究会教育問題フォーラムで山��事務局長が報告（2018/8/10）
- ◆調べる会夏の研究会&総会（2018/8/8,9）
- サイト更新情報
- 行事予定
- 本会について
最新ニュース †
◆少人数学級導入を求める提言を発表（2020/6/7) †
「はじめに」から
新型コロナウィルス感染防止対策のための休校措置がようやく解かれ、各地で学校が再開しはじめました。子どもも教職員も保護者も、かつて経験したことのない苦難を経て、いま学校を安心安全なかたちで再スタートさせようと奮闘しています。
今回の新型コロナウィルスだけにとどまらず、今後も新たな感染症が流行する危険性を考えるならば、政府が「学校の新しい生活様式」として提唱するような対策をいつでもとることができるような環境整備が求められます。しかし、現在の児童生徒数上限 40 人（小１は 35 人）という学級編制標準のままでは、子どもたちが学習生活する基礎である教室において、三密を避け「身体的距離の確保」をはかることは不可能です。
実際にそのことが、再開した学校への大きな不安となっており、まだ登校することをためらう子どもや保護者が多く存在し、登校した子どもや保護者にも大きなストレスとなっています。また緊急的臨時的に実施した「分散登校」の経験から、少人数となった教室で学び、教えることの教育効果を改めて認識し、恒常的な少人数学級制実施への期待の声がかつてなく高まっています。
私たちゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会は、1４年前から学級編制や教職員
定数などの教育条件改善のための調査研究を行ってきました。今こそ公立小中学校に少人数学級制を導入するために、その必要性を述べながら、実施に必要な財政量を提示し、現実的に可能な方法を提案する政策提言をしたいと考えます。
日本の教育にたずさわるすべての方々にご検討をいただき、教育現場が切望し、国民世論となって久しい少人数学級制の本格的導入へと踏み出すことを願います。
目次
はじめに
１．少人数学級制導入の必要性
（１）感染症対策のための「身体的距離の確保」を実施できる環境整備
（２）「分散登校」からみえる教育効果
（３）少人数学級制導入は国民世論
２，少人数学級制のメリットとデメリット
（１）少人数学級制のメリット
（２）少人数学級制のデメリット
（３）デメリットの検討
３，少人数学級制実施の財政量試算
（１）2019 年度に少人数学級編制を実施していたら追加が必要だった財政量試算
（２）既存の少人数学級活用可能な教員定数をすべて活用し、増学級による担任外教員も
増員した場合の財政量試算
４、提言
（１）少人数学級に活用可能な既存定数も活用し、来年度から 35 人学級を実施すること
（２）再来年度以降、全学年の学級上限人数を１人ずつ引き下げ 15 年間ですべての学級
を20 人以下にすること（1 年に 2 人ずつなら 8 年間で実現）
（３）その間に教員養成と教室等施設の確保を計画的に進めること
おわりに
資料 少人数学級実施の財政量試算
※提言の内容は、機関誌・論文のページからダウンロードできます。
◆宮城県教職員組合が調べる会に組織加盟を決定（2020/2/14) †
2月14日、宮城県教職員組合がゆとりある教育条件を求め全国の教育条件を調べる会に組織加盟することを決定されたと連絡がありました。
1月25日〜26日に宮城県教組と共同して「子どもと学校にゆとりを求める学習交流会」を開催させていただいたことが加入につながりました。
教育条件の改善のためには調査研究活動の裾野を広げつつ、深いところまで掘り下げていく必要があります。
そのために調べる会として様々な個人、団体と共同して調査研究を進めていきたいと思います。
組織加入としては、岐阜県教職員組合、宮崎県教職員の会、愛知県教職員労働組合協議会に次いで４例目です。
長野県教職員組合からは資料代をいただき、教育財政部長さんを調べる会の研究会等に組織的に派遣していただいています。
9月と11月に講演をさせていただいた高知県教組・高教組においても調査研究のグループがつくられ、調べる会加入の検討も行われていると聞いています。
みなさまも、ぜひ個人正会員、賛助会員とともに、組織団体加入もご検討ください。
ともに調査研究を進め、教育条件の改善を実現していきましょう。
◆大阪大学で講義（2020/2/15) †
2月15日（土）大阪大学授業「教育方法学」において、事務局長の山��が「いま学校に必要なのは人と予算ー『働き方改革』をまっすぐ教育条件整備へー」と題して講義しました。
この授業は現役中学教諭平井美津子先生が担当するものですが、昨年に続きゲストとして担当させていただきました。
文科省が進めている「学校における働き方改革」の内容と教育現場の実態を解説した後、よい教育の保障と教職員の長時間過密労働解消を両立するためには、義務的労働（やらされ仕事）の削減と教育条件整備（教職員増、少人数学級など）を進めることが必要であることを強調しました。
そして、その教育条件整備の具体的方針として義務標準法における「乗ずる数」改善による担任外教員増で教員の授業担当コマ数を減らすことが重要であることを説明しました。
そしてあらゆる教育条件を法律で決め、その実現のための財政保障を国に義務付ける財政法の実現について提言しました。
情報量が多すぎて後半は駆け足になってしまい消化不良にさせてしまったことは反省ですが、学生さんたちの感想を読ませていただくと、それぞれに教育について考えるきっかけとなったようで安堵しました。
◎学生さんの感想から
◇現代の教育現場における教職員数の問題を多数のグラフを使って教えていただけたので、非常にわかりやすく、現状と理想のギャップを感じやすかったです。
「働き方改革」は、教員の長時間過密労働を改善するもののように見えて、トロイの木馬であり、やらされ仕事の割合が多くなることによって自発的労働が減ってしまうという論理に納得しました。
また、教育にゆとりを与えてくれると思われた少人数学級制が、教職員を増やされないままに行われることによって、さらに教員の仕事が増えていることを知りました。
教育にお金をかけない姿勢を政府にまず直してほしいです。
そうしなければ子どもを生み育てることに対して絶対にやさしい社会になりえないと思います。
今日の授業は本当に今まで自分が知らなかったことばかりなので、聞けてよかったです。
もっとゆっくり聞きたかったです。
◆子どもと学校にゆとりを求める学習交流会（2020/1/25・26) †
1月25日（土）26日（日）宮城県教組主催（共催：民主教育をすすめる宮城の会、仙台の子どもと教育をともに考える市民の会）の〈子どもと学校にゆとりを求める学習交流会〉が仙台市のフォレスト仙台において行われました。
今年度の調べる会冬の研究会は、この集会のかたちで行いました。
25日（土）には現地報告と講演が行われました。
参加者は33名でした。
○現地報告
�〆監７柴鵑気鵝弊臑罎了劼匹發閥軌蕕鬚箸發帽佑┐觧毀韻硫顱法崟臑羯圓砲�ける教職員定数に関する取り組みと定数の実態とその課題」
�∨揆涜鵑気鵝糞楙觚�教職員組合）「教育に穴があく〜県内小中学校での教員未配置の現状と改善へ向けた取組について〜」
○講演
山��洋介（調べる会事務局長）「いま学校に必要なのは人と予算〜『働き方改革』をまっすぐ教育条件整備へ〜」
26日（日）には調べる会の会員による調査研究報告が行われました。
参加者は16名でした。
〇橋口幽美（宮崎）「4コマで語る宮崎県の学級編制と教職員配置の関係 小３中２以上でも『35人学級』にするには先生を何人増やさなければならないか？」
〇小宮幸夫（東京）「ＡＩ時代、だけど人と向き合う学校事務職員をめざして」
〇今福志枝（京都）「総額裁量制と学校事務職員」
〇宮澤孝子（宮城）「1980年代における教育条件整備研究の到達点と今後の課題」
〇山��洋介（奈良）「会計年度公務員制度導入により臨時教職員はどう変わるか？」
二日間にわたり、様々な課題について報告、講演をもとに教育条件改善のための話し合いが真剣に、かつ楽しく行われました。
宮城のみなさま、大変お世話になりました。
◆全国障害児学級＆学校学習交流集会（2020/1/12) †
1月12日（日）神戸勤労会館で行われた全国障害児学級＆学校学習交流集会の講座「定数のしくみを知って、せんせいふやそう（特別支援学校・学級編）」を山��事務局長が担当しました。
会場いっぱいの参加者約30名で学び合いました。
特別支援学校は、小中学校に比べ義務標準法に定められた標準定数を充たしてしない自治体が多いです。（2018年度は20／64自治体）
定数のしくみや運用のされ方を解説し、なぜそのようなことが起こってくるのか説明するとともに、教職員定数を増やすにはどうすればよいのかを提案しました。
また、重複学級編制の制限、就学指導による児童生徒の支援学校→支援学級→通級指導への玉突き移動が教職員配置の削減につながっていることも報告しました。
「せんせいふやす」ためには、ただ世論を盛り上げるだけではなく、学級編制や教職員定数のしくみを学び調査して、どうすれば教職員給与のための予算を確保できるのかを考え、実現のために共同していかねばなりません。
講座の終了後、希望者にはプレゼンテーションの資料と、文科省から公開させた関連公文書資料を収録したDVD等を配布しました。
この講座をきっかけに、各地で実態を調査し、法制度と実態に基づく定員増のとりくみが行われていくことを期待したいと思います。
今回は、奈良県の資料をもとに解説しましたが、各自治体の実態にもとづく分析や解説の学習会を希望される組合等がありましたら、調べる会までぜひご連絡ください。
◆高知高岡教組2019パワーアップ集会（2019/11/22) †
11月22日（金）高知県高岡教組主催の2019パワーアップ集会において山��事務局長が「働き方改革は人と予算 〜今、スタンダードが求められる理由とは〜」と題して講演しました。
データをもとに、高知県の教職員配置の様子や「学校における働き方改革」についてお話をさせていただきました。
高知県須崎市にある高岡教育会館に集まった教職員約30名の教職員のみなさんは、その後支部ごとに集まって討議をされました。
そこでは、
「教職員の定数充足率が全国ワーストなど、はじめて聞いた衝撃的な話ばかりだった。」
「教育委員会に『お願い』するのではなく、法律や制度に基づいて当たり前のことを求めていかなくてはいけないと感じた。」
「県政国政を変えれば教職員を増やし、教育予算を増やしていけることがわかった。」
などの意見が活発に出されました。
◆「歴史地理教育」10月号（2019/9/30) †
歴史教育者協議会編集の「歴史地理教育」10月号（第900号）に、山��事務局長が「なぜ教職員を増やそうとしないのか」という文章を寄稿しました。
なぜ教職員を増やそうとしないのか
１，世界一多忙な日本の教職員
２、大幅減が続く教職員定数
３，教育費を減らす論理
（１）教育費は未来への投資か？
（２）学力向上の証拠を見せろ？
４，人材育成ではなく人格の完成のための教育を
◆堺の教育条件を考えあう市民教育カフェ2019（2019/9/21) †
9月21日（土）堺市総合福祉会館で行われた〈堺の教育条件を考えあう市民教育カフェ2019〉において、山��事務局長が「いま学校に必要なのは人と予算ー少人数学級を考える」と題して講演しました。
堺市では、維新市政を許さない市民の幅広い共同が生まれており、様々な立場の参加者が21名集まりました。
大阪維新の会による新自由主義的な教育政策が10年以上続いている大阪では、教職員給与費が大幅に減らされる一方、統計上の教職員数は増やされています。
しかし、その内実は、非正規・再任用教職員が大幅に増やされて、しかも1人分の給与費で非常勤を２〜３人雇用する「定数くずし」が進むなど、正規・常勤の教職員は実質的なリストラが進められてきました。
これらの手法は、表面的には多くの府民市民に「支持」されているように見えますが、教育現場は確実にブラック化と教育破壊が進んでいます。
様々なデータをみていただきながら、これからの堺市政、大阪府政、そして国政がどのような教育行政を行っていくべきかを提案して、参加者で論議をしました。
◆高知民研・高岡民研合同夏季学習会（2019/9/7) †
9月7日（土）、高知民研・高岡民研合同夏季学習会が高知大において行われ、山��事務局長が「いま学校に必要なのは人と予算」と題し、講演しました。
参加者は約20名でした。
学級編制や教職員定数算定と配置についての基本的な法制度について解説しながら、高知県のデータを全国と比較して紹介しました。
教職員の定数充足率が６７地域（４７都道府県＋２０政令市）の中で最低だというデータが高知の方々にショックを与えたようでした。
高知県の学級編制や教職員配置は、2013年ころから明らかな変化がみられ、教職員の定数充足率が100％を割り込み、非正規任用が増えつつあります。
そして、充て指導主事の数が全国的にも大変多いという特徴がみられます。
それがなぜなのか、参加者のみなさんと話し合いました。
第二次安倍政権が誕生し、全国学力テストが悉皆調査となり、高知でも学力テスト対策が盛んに行われるようになったことが影響しているのではいか
定年退職者や再任用者が増えたことが影響しているのではないか
定数内欠員補充臨時任用が増やされ、その枠が埋まらなくなっているのではないか
高知では学校の勤務もしながら教育事務所の指導主事の仕事をする教員が一定いるが、それは定数外だと認識していた
などの意見が活発に出され、論議が行われました。
データの分析結果をもとに、地元の方々と論議を積み重ねれば、様々な課題がはっきりとしてきて、その解決のための対策や方針が見えてくることを実感させられた学習会となりました。
◆2019教育のつどいin滋賀（2019/8/16〜18) †
8月17日（土）みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2019（滋賀）「教育条件確立の運動」分科会で、山��事務局長が「『学校における働き方改革』と教育条件整備」 、橋口会員が「教育改革」分科会で「2001年義務標準法改正以降の教職員配置の変化」を報告しました。
◆教育科学研究会全国大会（2019/8/9〜12) †
8月９〜12日、第58回教育科学研究会全国大会（国立市 桐朋学園中学・高校）の教育問題フォーラム「学校の働き方改革、その現実」に山��事務局長がパネラーの一人として「『働き方改革』をまっすぐ教育条件整備へ」を報告しました。
◆2019調べる会夏の研究会in名古屋（2019/8/4) †
8月５日（月）、調べる会夏の研究会in名古屋を労働会館において行いました。
東京、岐阜、三重、奈良、京都、福岡、宮崎そして愛知から15名の参加者がありました。
◎井深雄二氏（奈良教育大学名誉教授）の講演「あるべき義務教育財政制度を考える─義務教育費国庫負担政策の総括と展望─」
井深先生の講演は、1月刊行予定で執筆中の『現代日本教育費政策史：戦後における義務教育費国庫負担政策の展開』の最終章部分の要約でした。
執筆中の著作は12000頁超の大作（定価20000円）で、井深先生らしく一次史料、資料に緻密にあたって検証を重ねた歴史的な書籍となりそうです。
大いに学ばせていただきながら、これからの調べる会の教育条件整備研究と論議に生かしていきたいと思います。
◎愛知からの報告 近藤友伸氏「埋められない『教育現場の穴』ｰ県内５４市町との懇談よりｰ」が行われました。
自治体キャラバンを通じ、愛知県下の５４市町の教員未配置問題の実態とその原因などを調査検証したすばらしい報告でした。
ちょうどタイミングよく、朝日新聞が一面で全国の教員未配置問題を報じた日に、近藤報告をもとに参加者の活発な論議が行われました。
全国的にも自治体財政が豊かな愛知県で、このような深刻な実態が生じてしまうのは、ショックです。
教員未配置は、やはり構造的な問題であり、対処療法的な対策だけでなく、教員の待遇改善、正規任用化、教職員定数改善など抜本的な教育条件整備がはかられなければ、ますます深刻化すると参加者で話し合いました。
集会後は、参加者有志で懇親会を行い、楽しく交流しました。
8月6日（火）、調べる会夏の研究会in名古屋を前日に引き続き、労働会館において行いました。
会員４名から研究報告があり、参加者で大いに論議しました。
◎小宮幸夫「東京の働きか方改革と学校」
◎今福志枝「定数内の事務職員が増えるのはなぜ？：共同実施を考える」
◎橋口幽美「2001、2011、2017年の義務標準法改定の影響をデータで見る」
◎山��洋介「『働き方改革』をまっすぐ教育条件整備へ」
研究報告後は、調べる会第14年次総会が行われ、13年次の報告と決算、14次の活動計画と予算、役員体制についての案が提案され、論議の結果、決議されました。
◆全国障害者問題研究会第53回全国大会長野2019（2019/8/4) †
8月４日（日）、全国障害者問題研究会第53回全国大会長野2019の「就学・修学・教育条件整備」分科会に山��事務局長がレポート報告「学級編制・就学指導による児童生徒『玉突き』誘導・移動の実態−特別支援学校（重複→単一学級）→特別支援学級→通級による指導−」を行いました。
インクルーシブ教育システムと連続性ある「多様な学びの場」の整備のために、特別支援教育の体制が整えられています。
そのもとで、教職員配置などの条件整備にかかる国・自治体の財政負担を抑制するために、文科省や教育委員会が学級編制と就学指導による支援学校（重複→単一学級）→支援学級→通級という玉突きのような特別支援教育対象児童生徒の「学びの場」の移動・誘導を意図的に行っているのではないかという疑いがあります。
なぜならば
、支援学校重複障害学級（学級編制上限人数3名＝障害児４名になると２学級編制し担任教員2名配置・・・）~
→ 単一学級（学級編制上限人数6名）~
→ 小中学校支援学級（学級編制上限人数8名）~
→ 通級による指導（対象児童生徒13人に教員１名）
へと特別支援教育対象児童生徒を教員一人当たりの担当児童生徒数が多い学級等へ移動・誘導することができれば、対象児童生徒数は変わらなくても教員総人件費を削減することができるからです。
報告では、学級編制や在籍児童生徒数、教員定数等の分析により特別支援教育の現場に現れている変化の考察を試みました。
公立特別支援学校（義務制）の状況
�―妬３惶虔埓�の減少と過大規模化
��奈良県立特別支援学校（義務制）の学級編制と就学基準の厳格化
公立小中学校特別支援学級の状況
�‘段婿抉膤惶蕕料�加
��奈良県における特別支援学級急増
公立小中学校における通級による指導の状況
��2017年法改正による通級教員の基礎定数化
��通級による指導の拡大 ~
�Ｆ猯標�公立小中学校における通級による指導
学級編制・就学指導による「玉突き」誘導・移動は、特別支援教育における教育条件の後退を招き、教育内容にも大きな影響を及ぼしています。
したがって、インクルーシブ教育推進のために「多様な学びの場」を整備し、特別支援教育を充実させようとするならば、
・特別支援学校、学級の学級編制標準（学級上限人数）の改善、無学年制の学級編制の改善
・通級による指導の上限人数化と基準人数の改善
・特別支援学校の学校設置基準の制定と新設、増設
・学校教育法72条、学校教育法施行令22条の3など特別支援教育における就学基準の改善（特に「自閉症者」の就学と教育の保障）
などの教育条件の改善とそのための体制整備がはかれることが重要であると思います。
◆富山県教育研究所教育講演会（2019/8/3） †
8月3日（土）富山県教育研究所教育講演会が富山市の教育会館で行われ、山��事務局長が講演「いま学校に必要なのは人と予算―『富山県の少人数教育』の問題点とこれらの展望−」をおこないました。
富山県の学級編制、教職員定数・配置、非正規・再任用、教育財政の状況などをグラフで示しながら、そのしくみや問題点、今後の展望などについてお話をしました。
集会後の懇親会では、富山県教組・高教組などの役員のみなさんと懇談することができました。
いまこそ組合の組織の違いや職種、団体などの違いを乗り越えて、幅広い共同の力で教育に人と予算を求める声をあげていかなければならないと思います。
そういう意味で、大変有意義な集会となったと思います。
◆全国学校事務職員制度研究会第43回島根大会（2019/7/28〜30） †
7月28〜30日、全国学校事務職員制度研究会第43回島根大会が松江市玉造温泉で行われ、「学校の今と学校事務職員制度」分科会で山��事務局長がレポート報告「学校事務職員制度を守り、発展させるために」を行いました。
公立小中学校特別支援学校の学校事務職員は、義務標準法の標準定数に規定されているにも関わらず、各自治体の配置は標準定数を下回っているところが多いです。
特に要保護、準要保護児童生徒の多い学校に加配される事務職員定数の一部が実際には各学校に配当されていないケースが多くみられます。
そして、その給与費分として交付されている国庫負担金、地方交付税の一部が、教員の給与費として「流用」されている疑いがあります。
また、学校事務共同化や共同事務室の推進などのために加配されている国庫加配定数の配当には自治体によりかなりの格差がうまれています。
安上がりな学校事務の実施のために、学校事務職員の定数枠でスクールソーシャルワーカーを任用したり、学校事務の仕事をAIや安上がりな非常勤職員に置き換える動きも加速化してきました。
制度の悪用ともいえる事態がこのまま続けば、国は再び学校事務職員の国庫負担はずしさえ言い出しかねません。
まさに学校事務職員制度の危機的な状況を迎えつつあるように感じます。
そして、学校事務職員にかけられている攻撃の矛先は、やがて他の職種、教員にも向けられることでしょう。
政府の進める施策にそって学校事務職員の「生き残り」を追求するのではなく、今こそ、学校事務職員の専門性とは何なのか、原点にかえって見つめ直す必要があると思います。
地域で事務実践を豊かに創造しながら、学校事務職員制度を守り、発展させていきましょう。
◆奈良県障害児学校教職員組合2019夏の組合学校（2019/7/27） †
7月27日（土）奈良県障害児学校教職員組合2019夏の組合学校（奈良市 奈良県教育会館）が行われ、山��事務局長が講演「教職員定数を定める義務標準法とは？〜基礎知識と算出方法について〜」を行いました。
教職員定数は、義務標準法に基づき標準定数が算定され、各都道府県（政令市）にその給与費分が国から国庫負担金、地方交付税として交付されます。
そして、都道府県（政令市）は、それぞれの教育委員会に決められた教職員配当基準に基づいて各学校に配当されます。
今回の学習会は、�ゝ遡撹現猖，鉢�奈良県教職員配当基準に基づいて各学校の定数を計算し、��実際の配当数と比較してみようとするワークショップでした。
県下の特別支援学校の分会代表が、各校の児童生徒数、学級数、教職員配置数の資料を持って集まってきてくださり、法と基準の規定に従って計算してみると、各校の�´↓�の教職員数は必ずしも一致しませんでした。
どうしてその数になるのか、差が生まれるのか、もう少し精査してみる必要がありますが、各校代表者からは、様々な意見や情報が交わされ、学ぶところの多い大変有意義な学習会になったと思います。
今後の定員増要求の足掛かりになるワークショップになったのではないかと思います。
◆日本教育政策学会年報に調べる会の研究が紹介されました。（2019/7/20） †
『日本教育政策学会年報』第26号（2019年7月）に「教育」2018年7月号の山��論文「『学校ブラック化』の背景にあるマンプアー政策」の紹介が掲載されました。
日本教育政策学会年報の「国内の教育政策研究動向」で、宮澤孝子先生（東北生活文化大学）が紹介してくださったものです。
以下、引用
「教員定数について山��洋介（2018）は、2001年から2005年に行われた第7次教職員定数改善計画により、教職員定数改善計画はストップさせられながらも地方裁量による「少人数学級制」が推進されてきた末路を、データによって明らかにしている。すなわち、増加した学級数に対して教員の数が追いついていないという実態である。この指摘は、教員が一層多忙化に迫られている実態の裏付けを示すものとして注目されてよい。」
◆「教育」8月号に山��事務局長が寄稿（2019/7/6） †
教育科学研究会発行の雑誌「教育」8月号の特集「『学校の働き方』を変える」に山��事務局長が「『働き方改革』を、まっすぐ教育条件整備へ」という文章を寄稿しました。
◆『働き方改革』を、まっすぐ教育条件整備へ
〇「働き方改革」は人と予算を増やさない
〇長時間過密労働解消とよい教育を両立させるには？
〇公教育民営化へのワナではないのか？
〇学習権保障のためにも教員増で授業担当時間数減を
教員の多忙化を解消しつつ、その教育活動を充実させるには、リアルな勤務実態に即して、授業担当時間、担任外教員の配置数などが設定されなければならない。
同様に、教員以外の教職員定数の改善のために、その算定ルールの根拠の見直しも必要であるし、特別支援学校・学級教職員の見直しも必要だ。
教職員にも労働者として確保されるべき最低限の労働条件があり、それらが守られることが教育活動をする上での大前提である。さらにそれらを改善、向上させることは子どもにとって保護者にとっての教育条件の改善ともなる。
そのための財政支出が国・自治体の財政不足を理由になされないということが許されてよいものか。
教職員の長時間過密労働を解消するためにも、様々な教育困難を打開しよりよい教育を子どもたちに保障するためにも、いま学校に必要なのは「人と予算」だ。
抜本的な正規教職員の増と少人数学級制など教育条件の整備を強く求めたい。
その実現のためには、様々な教育条件に関する最低基準を定める教育条件基準法と、そのための財政措置を国に義務づける教育財政法が必要だと考える。その実現のため、力を合わせよう。
なお、この特集での他の執筆者である石井拓児先生は、「なぜ『教員の働き方改革」は失敗するのか」の中で、加配なきまま進められた少人数授業などが多忙化を招いた要因となった「問題を分析した優れた著作物」として、調べる会の『本当の30人学級は実現したのか？ー広がる格差と増え続ける臨時教職員』（自治体研究社 2010年）を紹介してくださっています。
また、同じく高橋哲先生は、「教職員の『多忙化』と給特法」の中で、各地方自治体の教員定数を抑制している教育財政制度への視点を向ける「代表的な文献」として世取山洋介・福祉国家構想研究会編『公教育の無償性を実現する』（大月書店 2012年 第4章を山��が執筆）と調べる会の『いま学校に必要なのは人と予算』（新日本出版社 2017年）を紹介してくださっています。
◆佐久間亜紀先生（慶応大）の論考に紹介されました。（2019/6/16） †
慶應大の佐久間亜紀先生が「教員不足の６つの処方箋」という文章を朝日新聞デジタル「ウェブ論座」に寄稿されました。
https://webronza.asahi.com/national/articles/2019060500001.html
その中で、私たち調べる会の本を紹介してくださいました。
以下引用
「つまり、必要なのは、先生たちの仕事の仕方を効率化することなどではなく、何人の先生が最低限必要なのかを計算する基準（義務標準法）を、仕事量の増加に応じて適正に改善していくことのほうなのだ。（この点に関しては、山��洋介・ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会『いま学校に必要なのは人と予算』新日本出版社、2017年に詳しい）」
「教育に人と予算をつけてほしい。財源がないなら、もうこれ以上、教育改革なんて言わないでほしい。教育現場の切なる願いだ。この問題が、社会全体で議論されることを期待したい。」
◆日本教育法学会総会（和光大学）（2019/6/1） †
6月1日（土）に和光大学（東京都町田市）において行われた日本教育法学会総会において、山��事務局長が自由研究発表を行いました。
〇自由研究発表B（５）
「2017年義務標準法改正の影響」
山崎洋介（公立小学校・ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会）
◆福島みずほ議員と懇談（2019/3/21） †
3月21日、調べる会として福島みずほ参議院議員（社民党）と懇談しました。
参加したのは山��事務局長と橋口会員で、参議院議員会館の議員控室を訪れました。
調べる会とはどのような会なのか自己紹介をさせていただいた後、教職員定数増や少人数学級制拡大の要望などについてプロジェクターを使って約40分間のプレゼンテーションをさせていただき、たっぷり2時間懇談をさせていただきました。
福島議員は、特に地方裁量で実施されている少人数学級制が教職員を多忙化させている実態について興味をもってくださり、その改善にとりくみたいとおっしゃってくださいました。
また、学校教育の充実と子どもの幸せの実現のために教育条件整備の方向で取り組むとおっしゃってくださり、文科省への質問主意書の作成などでの調べる会へ協力依頼もしてくださいました。
日本共産党に続き、社民党との懇談が実現したことは大きな成果です。
今後とも政治に働きかけ政策提言する活動にも取り組んでいきたいと思います。
◆日本共産党参議院議員秘書と懇談（2019/2/9） †
昨年11月9日に「教職員を増やし、異常な長時間労働の是正を―学校をよりよい教育の場に―」という提言を発表された日本共産党が、各種教育団体との懇談を希望されているという記事を目にしたので、調べる会として懇談を申し入れていましたが、2月9日に参議院議員吉良よし子さんの秘書である水野季美子さんとの懇談が実現しました。
会長の小宮と事務局長の山��が参議院議員会館を訪れ、水野さんと約2時間にわたって意見交換をしました。
水野さんは、私たちの書籍も読んでくださっており、教育のつどい等での報告も聞いてくださったそうで、私たちの調査研究や主張に関心をもっておられました。
国会論戦や政策論議などのリアルなお話を聞くことができ、私たちの主張も訴えることができて大変有意義なものとなりました。
◆川口市学校事務研究部研修会で山��事務局長が講師に（2019/2/8） †
2月8日、山��事務局長が埼玉県川口市教育研究会学校事務研究部研修会の講師を務めました。
報告のタイトルは「教職員定数法と働き方改革〜事務職員のいままでとこれから〜」。
50名ほどの事務職員さんが熱心に話を聞いてくださいました。
◆調べる会冬の研究会inさいたま（2019/1/26･27） †
1月26日（土）27日（日）埼玉大学において冬の研究会inさいたまを開催しました。
宮崎、福岡、京都、奈良、長野、山梨、東京、千葉、福島、新潟そして埼玉から34名の方が参加されました。今回は、埼玉大の学生さんがたくさん参加してくださり、会場がいっぱいになりました。
【1月26日】
◎高橋哲さん（埼玉大学）の講演
「学校における『働き方』改革をめぐる教育法的検討―給特法の法構造をめぐる問題を中心に―」
教員も労働権、労働基本権をもつ勤労者でありながら、公務員給与法制、教員給与法制は特殊なルールがとられ、権利がはく奪されているとして、給特法をはじめとする教員給与法制の基本原則とその問題点を解説されました。
そして、その根本的な解決のために、
�ゞ軌�給与基準立法の必要性
�⊆�治体レベルにおける団体交渉方式の確立
�６疑Π�定数の改善
を提案されました。
刺激的な報告に対し、議論では、給特法などの前提となっている「教員勤務の特殊性、専門性」などについて活発な議論が行われました。
◎研究発表��
「教育を受ける権利保障と就学援助制度、そして……」 柳澤靖明（埼玉）
まず教育を受ける権利保障としての修学援助制度のあらましを説明されたのち、利用者の「うしろめたさ」を払拭し、権利としてだれでも利用できる制度とするために、学校事務職員としてとりくんでおられることをお話いただきました。
その中で、現行の就学援助制度は万能ではなく、その援助額が実際の学校徴収金額に達しておらず、保護者の教育費私費負担の軽減のために、校内外で教育財政研修を行ったり、教材費用対効果を検証する取り組みも進めたりしている実践事例を具体的に報告されました。
そして、子どもの貧困対策ではなく、基本的人権としての教育の無償性を実現することの重要性を訴えられました。
夜は参加者有志による懇親会を行い、交流を深めました。
【１月２７日】~
◎研究発表��
「2017年義務標準法改正の影響」山��洋介（奈良）
2017年に改正された義務標準法により、教職員配置にどのような影響がでているかをデータから読み取ろうとする報告でした。
�々餮鵬断枋蠖瑤了愼格�法工夫改善教員の一部が児童生徒数を算定基準として基礎定数化されたことにより、地方裁量の「少人数学級制」に活用されてきた教員が減少してしまっている。
��通級指導担当教員が10年かけて加配定数から基礎定数へと移行されているが、障害をもつ一定の児童生徒を特別支援学校→小中学校特別支援学級→通級指導へとシフトすることにより、教員給与費を抑制しようとしている。
ことが報告されました。
◎研究発表��
「補習等の指導員等派遣事業の実態について」小宮幸夫（東京）
義務教育費国庫負担金とは別に予算化されはじめた「補習等の指導員派遣事業費」を使い、学習補助員や部活動指導員などが短時間勤務の支援スタッフとして任用されてきている実態を東京の例をもとに報告されました。
東京では、授業も行う非常勤講師もこの事業費により大量に任用されていること、それらの「事業」が民間に委託されていることが参加者に驚きをもって受け止められました。
また、義務標準法により算定されている事務職員の一部が東京では対象の学校に配置されず、その給与費が教員の優先任用のために「流用」されていることを会計検査院に報告し是正を求めていることも報告されました。
◎研究発表��
「コミュニティスクールの全国動向」村田峻一（新潟）
2000年に教育改革国民会議により提案されて以来、紆余曲折を経ながら実現され、広げられようとしているコミュニティスクールの実態を各自治体の規定を分析することにより報告されました。
2015年に中教審答申が出され、2017年に地教行法が改正されて、自治体に「学校運営協議会」の設置努力義務が課されたことにより、急増しているようです。
次世代の学校、チーム学校と連動して構想されているコミュニティスクールが、政府文科省の進めようとする新自由主義的な教育改革に地域住民を動員するものとして働くのではないかなどの意見がだされ、論議が深まりました。
◎今後の調査計画についての検討「埼玉県の公文書を参考に」橋口幽美（宮崎）
◎各県データの具体的読み取りと分析 ＜埼玉県を例として＞
調べる会の調査活動の蓄積により、少しずつ文科省の公文書から各都道府県の教員定数算定と配置の実態を分析し明らかにする方法が確立してきました。
その第一人者である橋口さんに、それぞれの県の教員配置の様子を調べ分析する具体的方法を講義していただきました。
二日間にわたり、じっくりと学び、話し合うことで充実した研究会となりました。
◆参加者感想感想 ◎原北祥悟さん（九州大学大学院生）
私は今回はじめて調べる会の研究会に参加しました。どのような研究会であるのかと若干緊張しながらの参加でしたが、実際目の当たりにしたのは私の研究テーマに近い問題意識を持つ方々が実に対等で活発な議論を交わす場であり、緊張もいつの間にか解け、とても刺激的で学びの多い会となりました。
高橋先生のご報告は、教育法学の視点より教職員の置かれている特殊な今日的状況や、教職員の勤務に関する法的矛盾を浮き彫りにするだけでなく、働き方改革の今後のあるべき方向性まで言及された充実した内容でした。
学校教員は勤労者であり労働権、労働基本権の所持者であるという憲法、労働基準法から出発する議論で明らかになる給特法の法構造をめぐる問題は、私の研究テーマとも密接にかかわっており今後の研究を進めていくうえで大変参考になりました。
その後、研究発表が27日（日）まで続きましたが、その多くが教職員定数や義務標準法の問題に関する議論へと展開され、非正規教員を取り巻く諸問題に関心を持つ私にとって非常に有意義な時間となりました。
特に、データを丁寧に収集する重要性、またそのデータに正面から向き合う真摯な姿勢に学ぶことが多くありました。次回の研究会までには調べる会が保有するデータを活用しながら研究を進め、その成果を報告できればと考えております。
◆「土佐町で日本の教育の未来を考え、飲んで語り合う合宿」で山��事務局長が報告（2019/1/12） †
1月12日（土）高知県土佐町で行われた『土佐町で日本の教育の未来を考え、飲んで語り合う合宿』のシンポジウム「日本の教育はどこへ向かっているのか」のテーマ�◆岾惺擦砲�ける働き方改革：課題と展望」において、山��事務局長が「教職員の『働き方改革』と教育の未来」と題して報告を行いました。
以下は主な報告内容です。
・「働き方改革」は人と予算を増やさない
・「学校における働き方改革」は、学習指導要領体制強化の「働かせ方改革」
・「学校における働き方改革」は、学校民営化へのワナではないのか？
・教育に人と予算を増やすには？
・「乗ずる数」を改善して担任外教員を増やし、授業担当時間を減らす
・教育のナショナルミニマムとは？
・少子化だからこそ教育予算を増やすべき
・教育に人と予算を総掛かり行動で教育条件基準立法を
その後「学校における働き方改革」などについて、全国から集まった約50名の参加者と共に論議を行いました。
二日間の合宿でたくさんの方と出会い、教育の未来について語り合うことができました。
『いま学校に必要なのは人と予算ー少人数学級を考える』の本が10冊売れました。
◆全国教育研究交流集会in京都で山��事務局長が報告（2018/12/23） †
１２月２３日（日）全国教育研究交流集会in京都の第１分科会「『学校における働き方改革』と教育条件整備」で山��事務局長が「担任外教員を増やしゆとりある教育の実現を」を報告しました。
30名が参加され、「働き方改革」や教育条件整備、労働安全衛生活動などについて議論が交わされました。
◆参加者の感想から
山��さんの報告はいつもながら『目からウロコ』の思い。今回の文科省の素案を評して、公教育に民営化のきっかけをもたらす『トロイの木馬』という表現は、今回の『改革』の本性をついた言葉だと思う。
◆2019年度文科省予算案（小中学校教職員定数関係）について事務局長見解（2019/1/6） †
2018年12月21日、閣議決定された文科省予算案のうち、小中学校の義務教育費国庫負担金関係（教職員給与費）について、当会事務局長としての見解を発表しました。
見解の内容については、機関誌・論文コーナーをご覧ください。
◆調べる会事務局長として文科省へ送ったパブリックコメントを発表（2018/12/17） †
中央教育審議会学校における働き方改革特別部会の答申素案に関するパブリックコメント募集に対し、調べる会事務局長として意見を送りました。
意見の内容については、機関誌・論文コーナーをご覧ください。
◆12月8日、1月5日に山��事務局長が大阪大学講義を担当（2018/12/8,2019/1/5） †
12月8日、1月5日の二回にわたり、大阪大学の「教育方法学」の授業のゲスト講師として山��事務局長が講義を担当させていただきました。
12月8日「いま学校に必要なのは人と予算」
1月5日「非正規・再任用教職員問題」
◆学生さんの感想から
今回感じたことは、教育にはお金がかかるということです。教師の金銭的な現実を知ることができました。
良い教育の環境を整えるためには教師との関わり、信頼が大切であると考えるので、非常勤講師が増えている点はとても気になりました。国が行なっている政策は、コストを下げるには効果的な方法であるとは思いますが良い教師を育てることのできる環境ではないのではないでしょうか。
給料が良ければ、それだけ教師を志望する人数が増え、より良い人材を確保することができると思うので、大阪府の政策のように、給料が減っていくというのは目指したいと思う人がいなくなると思います。
教育にかけるお金を少なくすることで子供たちの経験できることが減ることは長期的に見ると、悪影響ではないかと思います。
教師の労働環境が思っていたよりも悪く、残業代がでないといったところは、改善しなければならないと思います。
教育について人々が議論する際、「〜であるべき」とか「〜という方法が効果的だ」といった意見が並べられるが、それらは大抵、机上の空論に終始する。
それは、それらを実現化するための資源（人と金）についてリアルに考えられていないからではないだろうか（そもそも教育という世界は「夢」「理想」への志向性が高いので、現実に目を向けたがらない人が多いのでは）。
リアルの世界は法によって支配されている。
というより、法によって正統性が与えられている。
将来、教育に携わっていくのならば、教育の資源を規定している法を知り、時には働きかけていく必要があると感じた。
今、教育界では新自由主義的な改革がどんどんと施行されており、競争や自己責任論の是非について議論が盛んになっている。
しかし、同時にそこでは「自由化」というレトリックのもとでコスト削減が横行している。
そうであるならば、理想論・当為論を展開するだけでは何も改善されない。人と金の問題をどうにかしなければ何も変えることは出来ない。
この授業からそのメッセージが強く発信されていると感じた。
◆「教育」10月号に橋口会員の論文が掲載されました（2018/9/10） †
雑誌「教育」10月号（教育科学研究会編集、かもがわ出版刊）に、調べる会会員の橋口幽美さんの論文「ここが終着駅ではないー『改革』のねらいを考える」が掲載されました。
政府・文科省は、学校教育を教師だけに委ねるのではなく、教師以外の専門職や保護者・住民などを巻き込んで推進していく体制「チーム学校」を進めようとしています。
また、子どもの貧困対策を進めていく上で、学校の機能・役割を高める「プラットフォームとしての学校」構想を進めています。
橋口論文は、「学校はいまでもプラットフォーム」であると、そうした機能・役割を評価しながら、政府・自治体が教職員定数削減や非正規化・非常勤化などを進めて学校そのものの基盤を弱めてきたことを批判しています。
さらに、それらの構想が、学校の地域立化、公設民営化への移行をねらいとしているのではないかと指摘しています。
そして、「学校をめぐるさまざまな問題を解決するには、その土台となる『人』の配置をまず先行させる必要がある」とまとめておられます。
◆愛教労が調べる会に組織加入を決定（2018/9/8） †
愛知県教職員労働組合協議会（愛教労）が、ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会へ組織加入を決定されました。大変ありがたく、心強いことです。
強力な仲間を得て、また一つ会としての成長が期待できます。どうぞよろしくお願いいたします。
調べる会は、個人加入の他、団体での加入も受け付けています。団体加入の場合も会費などは同じです。
組織加入としては、岐阜県教職員組合、宮崎県教職員の会に次いで３例目です。長野県教職員組合からは資料代をいただき、教育財政部長さんを調べる会の研究会等に組織的に派遣していただいています。
ぜひ個人正会員、賛助会員とともに、団体加入もご検討ください。
◆教育のつどい2018in長野で橋口と山��が報告。調べ方学習会を開催。（2018/8/16〜18） †
8月17日〜19日に長野で開催された「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい 教育研究全国集会2018in長野」で調べる会会員の山��、橋口がレポート報告しました。
○「教育条件確立の運動」分科会
山��洋介「担任外教員を増やしてゆとりある教育を実現するために」
政府の進める「学校における働き方改革」の危険性を指摘しつつ、教職員の自主性専門性を発揮する裁量時間の拡大が重要であること。そのためには、少人数学級とともに「乗ずる数」など教職員定数算定のルールを改定する必要があること。そして、その改定のためには、どの程度の定数改善が必要なのか、文科省の統計から試算したレポートでした。
同時に、その実現をめざす研究や運動の方向として「教育に人と予算を総がかり行動で教育条件整備立法を」という内容を提案しました。
論議では、基本的な法制度や実態についての質問と、レポートの内容を実現するための財政量や運動論などについて意見が出されました。
報告後も参加者や新聞社の方から質問や意見をいただき、注目していただきました。
○「教育改革ーその焦点と課題」分科会
橋口幽美「『乗ずる数』と教員定数の実際、義務標準法改善の課題」
レポート内容は、機関紙・論文コーナーをご覧ください。
8月18日（土）には、長野市生涯学習センター（トイーゴ）において「各県の教育条件の調べ方交流会」を行いました。
宮崎、奈良、静岡、長野、茨城、福島から８名の参加者がありました。
公文書からわかる長野県公立小学校の教員の数の詳細な分析から、みんなでいろいろ話し合いました。
長野県の公立小学校は、「少人数学級」によって多くの増学級をしていますが、「（増学級分も含めた）実学級に応じて配置されるべき担任外の教員」と「現実に配置されている基本的な担任外の教員」との差を計算すると、１３２名減っていることがわかりました。これでは、教員の勤務が厳しくなってしまっているのではないかと思います。
調べる会は４７都道府県すべてでこのような分析を行っています。興味関心のある方はご連絡ください。
調べる会は今まで小中学校の教育条件分析を中心に行ってきましたが、参加者の三名の高校教員の方から、「高校の実態について調査研究してみたい」という発言が出され、たのもしく思いました。
交流会終了後、隣の部屋で行われていた「部活動を語る夕べ」の参加者といっしょに夕食交流会を行いました。
有意義で、楽しい夜となりました。
◆教育科学研究会教育問題フォーラムで山��事務局長が報告（2018/8/10） †
8月10日（金）川崎市の法政二高で行われた教育科学研究会全国大会（神奈川大会）の教育フォーラム「教員の働き方改革−学校・部活・教育条件整備」で、山��事務局長が基調報告「『学校ブラック化』の背景にあるマンプアー政策」を行いました。
約50名が熱心に報告を聞いてくださり、福井雅英先生（滋賀大）がコメントをしてくださいました。
報告では『教育』7月号の論文に即して、資料やグラフなどを提示しながらお話しました。
討論では、各地から「学校ブラック化」の実態が生々しく報告され、その背景にある教育条件の貧困さについて具体的によくわかったという感想も出されました。
◆調べる会夏の研究会&総会（2018/8/8,9） †
ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会は、8月8日（水）9日（木）に福島県磐梯熱海において、夏の研究会&総会を開催しました。
宮崎、岡山、京都、奈良、新潟、長野、東京、福島から11名の参加者がありました。
◇研究報告
・福島の学級編制と教職員配置について（齋藤毅）
・全国の状況の特徴と福島の比較（山��洋介）
・教育における中央集権と地方分権ー戦後日本政策策定過程に着目してー（宮澤孝子）
・各県定数ギャップ調査と宮崎県の調査結果（橋口幽美）
・東京での2017年地教行法・義務標準法等改正後の変化(小宮幸夫）
◇情報提供
・職業教育をどう考えるか（村田峻一）
・学校のマネジメントについて（田中真秀）
◇調べる会総会
【8月10日】
◇福島原発事故被災地フィールドワーク
サイト更新情報 †
本会サイトの編集を行った方は情報をお寄せ下さい。
- 本日2009/02/16より，新ホームページが稼働しました。これからもよろしくお願いします。 -- IR? 2009-02-16 (月) 10:27:46
- 会員の方へ ホームページの編集については，本Webページの「練習ページ」以下を参考に加工してください。なお，編集にはパスワードが必要となります。IRまで連絡をお願いします。 -- IR? 2009-02-16 (月) 12:27:07
- 簡単なＰｕｋｉｗｉｋｉの解説を作ってみました。ご参考までに。↓です。 -- IR? 2009-02-18 (水) 10:18:20
- メールが開通しました。 -- IR? 2009-02-19 (木) 11:12:39
- 会員の方へ ホームページに写真を貼る場合は必ず半角英数字で写真名を付けてください。 -- IR? 2019-04-10 (水) 12:27:07
- トップページが重くなったのでニュースを過去のページに移動させました。過去のニュースを見たい方は「過去のページ」をご覧ください。-- IR? 2019-04-10 (水) 19:28:48
- 「https://www.yutoriarukyouikujouken.com」でSSL暗号化通信ができるようになりました。当ホームページをリンクされている方はリンクを貼り直してください。-- IR? 2019-11-13 (水) 13:28:48
pukiwikiの使い方.pdf行事予定 †
予定の書き込みは，下の日付から，あるいはcalendarのページに書き込んで下さい。
本会について †
「ゆとりある教育を求め、全国の教育条件を調べる会」申し合せ ２０１１．８．１７決定~ [#m1ca1e7c]
１ 会の名称
会の名称は、「ゆとりある教育を求め、全国の教育条件を調べる会」とし、略称を「全国の教育条件を調べる会」とする。
２ 会の目的
ゆとりある教育を全国で実現するためには、教育条件整備に対する国の責任を明確にする必要があるという観点から、学級編制や教職員配置等についての各都道府県の実態を調査、分析し、わかったことを全国に知らせる。
３ 会の主な活動
会は、文部科学省等国の機関に対して調査活動を行う。また、それに関連して必要な活動を行う。また、各種集会や研究会などに参加し、交流を行いながら分析をすすめる。
４ 会員と会費
正会員・・・調査活動に参加する。・・・・・・・・年会費 ５，０００円
学生会員・・学生、院生、大学非常勤などの正会員・・年会費 １，０００円
賛助会員・・調査活動には参加しないが、会の活動を支援する。・・・・・・・・年会費 ２，０００円
（各都道府県での調査や活動費は、各地域で独自にまかなうものとする。）
５ 会員の権利
正会員は、会が得た資料（公文書の写しなど）を無料で受け取ることができる。
正会員は、データについての分析結果を相互に交流する。
正会員・賛助会員は、会が作成した全国の調査結果一覧表やパンフレットなどの
１部を無料で受け取ることができる。また、その普及に努める。
正会員・賛助会員は、会の活動内容について、提案することができる。
正会員は、会の活動について責任を負う。
賛助会員は、会の財政を援助する。
６ 会の代表
原則として年に一度総会を開き、
会長１名、事務局長１名、事務局員若干名（調査係・研究係・広報係・会計係）、
会計監査２名 を選出する。
７ 会の所在地
会長の居住地を会の所在地とする。
８ 会の事務局所在地 会計処理上の所在地は、事務局会計係の居住地とする。
附則：この申し合わせは、２０１３年８月８日より発効する。
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