全国の教育条件データ集


注:政令指定都市の存在する都道府県名は、「 」をつけて表記しています。

例)「北海道」は、札幌市以外の北海道地域を表します。

増学級率(公立小中学校自治体ランキング)

自治体により、実際に編制された学級数を実学級数といい、義務標準法の規定(35人学級。40人学級など)どおりに編制した場合の理論値を標準学級数といいます。

増学級率(実学級数÷標準学級数)は、都道府県・政令市独自に少人数学級制などを行うことで、標準学級数以上に学級編制すると100%以上の数値になります。

山梨県、鳥取県、山形県などは、積極的に独自の少人数学級制に取り組み、増学級率が高くなっています。

逆に、教室や教員の不足などの理由によって、実学級数が標準学級数を下回ると、100%未満になります。

数年前までは、100%を下回ることはめずらしかったのですが、近年、下回り自治体が増加傾向にあります。

増学級数、標準学級数と増学級率の変化(公立小中学校全国計)

2004-2025年度の21年間の全国計の実学級数、標準学級数とその比(増学級率)のグラフです。

2001年に義務標準法が改正され、自治体の裁量で少人数学級制を実施しやすくなったことで、増学級率が上昇しました。

しかし、2021年に小学校2学年以降の35人学級制が法制化されると、標準学級数が増加するとともに、自治体独自の少人数学級制はさらなる少人数化へと拡充せずに終了するところが多くなり、増学級率は急激に低下しています。

教員定数充足率(公立小中学校自治体ランキング)

公立小中学校の教員(校長、副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、教諭、助教諭、講師)の定数充足率(実数÷定数)です。

定数を10%以上も上回る鳥取県を筆頭に、東京都、相模原市などは、定数を大幅に上回る教員が増員されていますが、全体的には、定数を充足できていない自治体が半分を占めています。

なかでも、熊本市、「熊本県」、富山県、岐阜県などは、とても低い水準にとどまっています。

未充足の自治体は徐々に増加傾向にあり、「教員不足」も影響しているのではないかと危惧されます。

「実数」は、5月1日の調査時のものなので、年度が進むと、「教員不足」による未充足は、さらに深刻化している可能性があります。

養護教諭定数充足率(公立小中学校自治体ランキング)

公立小中学校の養護教諭等(養護教諭、主幹養護教諭、養護助教諭)の定数充足率です。

堺市、大阪市、京都市は、定数を大幅に上回っています。

「宮城県」、秋田県、鹿児島県、「北海道」、川崎市、沖縄県、佐賀県、高知県は、未充足です。

学校事務職員定数充足率(公立小中学校自治体ランキング)

公立小中学校の学校事務職員の定数充足率です。

福岡市、仙台市、大阪市、岡山市の政令指定都市などが、定数を大幅に上回る配置を行っています。

しかし、約半数の自治体が未充足で、特に東京都、広島市、愛媛県、大分県、富山県は86-92%台と極端に低くなっています。

これらの自治体は、複数配置すべき学校に1名しか配置しないという措置を行っているようです。

栄養職員等定数充足率(公立小中学校自治体ランキング)

公立小中学校の栄養職員等(主幹栄養教諭、栄養教諭、栄養職員)の定数充足率です。

仙台市、さいたま市、千葉市、相模原市、浜松市、新潟市、京都市の政令指定都市は、定数を上回る配置を行っています。

特に仙台市は、232.6%と定数の倍以上の配置を行っています。

逆に、神戸市、「兵庫県」、「宮城県」滋賀県などは、低い充足率にとどまっています。

公立小中学校教職員定数充足率(自治体ランキング)

公立小中学校の教職員全体の定数充足率です。

半分近くの自治体が未充足になっていることがわかります。

特別支援学校教職員定数充足率(自治体ランキング)

特別支援学校の(国庫負担対象)教職員の定数充足率です。

※相模原市、静岡市、浜松市、大阪市、岡山市には、市立特別支援学校が存在しません。

小中学校に比較すると、定数充足率が高い自治体が多い傾向にあり、全国計でも106%と高率です。

しかし、16自治体は未充足で、なかでも山形県、島懸念、高知県、香川県などは、充足率が特に低いことがわかります。

それらの自治体間の差が大きいといえます。

公立義務制諸学校教職員定数充足率(自治体ランキング)

公立小中学校と特別支援学校を合わせた義務制諸学校教職員定数の充足率です。

全体でみても、約三分の一の自治体が未充足になっていることがわかります。

教職員実数、標準定数と比の変化(公立小中学校全国計)

2007-2025年度の公立小中学校の教職員実数、標準定数とその比(定数充足率)の経年グラフです。

少子化による定数の「自然減」が進み、標準定数は、2018年度あたりまで減少が続いていましたが、2019年度以降、増加に転じ、小学校第2学年以降の35人学級制がスタートした2021年度以降は、急増しています。

標準定数に対する実数の増減は、定数充足率でややゆるやかに上昇傾向にありましたが、2021年度をピークにして減少傾向にあります。

自治体による差はありますが、全体としては、ほぼ実数=定数(定数充足率100%)に近づいてきているように見えます。

職種別定数充足率の変化(公立小中学校全国計)

2007-2025年度の公立小中学校の職種別定数充足率の経年グラフです。

教員の定数充足率は、2022年度あたりから減少傾向にあります。

2017年度あたりまでは、養護教諭等と栄養職員等の定数充足率が急増して、近年は教員を逆転しています。

事務職員の定数充足率は、2018年度あたりから上昇傾向にあるものの、いまだに未充足状態です。

加配定数配当率(自治体ランキング)

教員の標準定数は、基礎定数と加配定数に種類がわかれます。

基礎定数は、児童生徒数や学級数など客観的な条件基準により配当数が機械的に決まる定数です。

加配定数は、自治体の申請を受けて文科省の判断により配当数が決定される定数です。

加配定数には、客観的な配当基準が存在せず、自治体への配当数には差がみられます。

「京都府」、京都市、島根県などは、多くの配当を受けていますが、横浜市、「広島県」鹿児島県、山口県などは、率にしてその4分の1程度の配当しか受けていません。

非正規教職員数の変化(公立小中学校)

2007+2025年度の公立小中学校の非正規教職員数の経年グラフです。

非常勤任用の場合は、換算数(任用労働時間週40時間分で1人)でカウントしています。

再任用も、「任期のある職」として非正規教職員に含めています。

2007年度以来、2023年度までは増え続けていました。

2024年度に定年年齢が61歳に延長されたため、それまで「再任用」として非正規職にカウントしていた61歳の教職員分が「正規」となって減少したため、数が減りました。

非正規教職員率の変化(公立小中学校全国計)

政策的非正規教職員率とは、産・育休代替の教職員を除いて計算した全国計の非正規教職員率です。

地域により年齢構成の若返り程度に差があり、若返りとともに産・育休が増えると、その代替者のために非正規率が高く見えてしまうことを是正するための補正です。

2007年度より非正規率は上昇を続け、現在では2倍程度まで高まっています。

政策的非正規教職員率(公立小中学校自治体ランキング)

政策的非正規率の自治体ランキングです。

自治体により非正規率には大きな差があります。

広島市、奈良県、宮崎県、岡山市、長野県、「福岡県」、鳥取県、沖縄県、相模原市、徳島県、三重県は、18%を超える高率です。

一方、東京都、名古屋市、福井県、「新潟県」は、8%台と低率です。

教職員給与費実額、総額と比(総額上回り率)の変化(公立義務制諸学校全体)

各自治体が実際に支出した教職員給与費実額の全国計と、総額裁量制によって算定された国庫負担限度額(総額)を比べて、総額上回り率(実額÷総額)として表した比の値の変化を経年で比較したグラフです。

義務教育費国庫負担率が2分の1から3分の1へと改定(2007年度)以降、総額上回り率が減少していました。

しかし、2011年に発災した東日本大震災復興のための給与費減額措置で総額が大幅に引き下げられ、それ以降、給与水準が低く抑えられたために、相対的に総額上回り率がやや高くなったまま安定していました。

2023年度以降は、定数増や給与水準の引き上げによって総額がアップしていますが、相応に実額が引き上げられず、総額上回り率は、やや減少傾向がみられます。

教職員給与費総額上回り率(公立義務制諸学校全体自治体ランキング)

公立義務制諸学校の教職員給与費総額上回り率の自治体ランキングです。

財政力の強い東京都は、110%と特に高い数値を示しています。

全体として、3分の1程度の自治体が、総額を下回る支出しかしていないことがわかります。

特に、「熊本県」、熊本市、沖縄県は、96-97%台で、多くの教職員給与費予算を使い残していることがわかります。

教職員定数の改善状況の変化

(公立義務制諸学校教職員定数の政府当初予算前年比)

政府当初予算における義務制諸学校教職員定数の政府当初予算の前年比を経年グラフにしたものです。

前年予算額をどれだけ上回る(下回る)かを表しています。

ピンク色棒グラフは、定数改善数を表し、水色棒グラフは、少子化による定数「自然減」数を表しています。

赤色棒グラフは、その相殺により、実質的な前年度よりの増減を表しています。

小泉内閣の2005年度に、戦後一貫して7次にわたり行われてきた教職員定数改善計画がストップさせられ、それ以降は、文科省と財務省の財政折衝による「自転車操業」のような定数改善になってしまいました。

その中で、民主党政権の2011年度に、小学校第1学年のみの35人学級制が実現し、翌年に加配定数を使った第2学年の実質的35人以下学級化が行われ、2021年度からは小学校第2学年以降の35人学級制が段階的に実施されました。

しかし、26年間の間に、定数が「純増」となったのは、2008年度、2010年度、2011年度の三度しかありません。

その結果、教職員定数は、26年間で約4万4千人の「純減」となりました。

これは、言い方を変えれば、2001年度の予算額と定数のまま固定していれば、2025年度には4万4千人の改善増となっていたということを意味します。

2022年度以降の近年の定数改善も、少子化「自然減」の分を上回る定数改善にはならず、「純減」が続いています。

したがって、少子化の進行する時期は、定数改善のチャンスだともいえるということです。

大きな予算増を伴わなくても、抜本的な定数改善は可能だということを示しており、政府の政策方針しだいということになるでしょう。

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